ポールトーマスアンダーソンの真実が 花咲きカエル
脚本監督ポールトーマスアンダーソン。（以下PTA明記）
自宅鑑賞シリーズ。お気に入り監督のPTA。
また
先日亡くなってしまった俳優フィリップシーモアホフマン追悼もこめみたくなってきました。
現在アメリカ映画の監督の中で一番好きな監督さんであります。
現在処女作の「ハードエイト」と二、三回挑戦し挫折している「パンチドランクラブ」が、未見であります。
出会いは、「ブギーナイツ」。雑誌「映画秘宝」で猛プッシュしてまして、確かシネウインドで見た記憶。
ポルノ業界の奇妙でいやらしい雰囲気をスーパーズームで魅せきった映画でした。
とにかく登場人物の多さ、細やかさ、特徴あるキャラを魅せるPTA映画でございます。どことなく見たときにアンサンブル映画。
ロバートアルトマン映画に似ていますね。特に中期「ウェディング」「ショートカッツ」「プレタポルテ」の感触に似ているなあと思いましたね。
そして完全に 路線変更となったのが、オスカーもノミネートし始めた歴史物、人物にとことんせまる感じに作風変化したのが、
意固地で癖頑固な石油王をダニエルデイルイルで描いた
「ゼァウィルビィブラッド」からでした。
私はミレニアムナンバーワンの作品でございます。
この 映画も見直したいんですが、心がなんか軽くなった気がしたんですよね。この変人を見て！
そして前作、タブーたる宗教人サイエントロジーを描いた「ザマスター」こちらも大変疲れましたが、素晴らしい映画でしたね！この変人たれ たる映画であり。とってもアメリカの暗部に 迫った映画でございました。
両作品非常にニューシネマに見えました。
嘘ないアメリカの人物像をしっかり描いた作品に見えましたね。
そんな「マグノリア」、二枚組ヘラルドDVDでございます。
長編第三作め。
メイキングでスタッフに
シドニールメット監督の「ネットワーク」と
ロバートレッドフォード監督の「普通の人々」を見せています。
PTA曰わく「本作は、僕のネットワークの完全版だよ」
という発言。 なるほど、あのクイズショウといい
トムクルーズのセックス教の教祖はそんなテレビの繋がりがあったなぁと思いました。
また
スリリングな１日を繋ぐ映画でしたね。それでいて告白の映画なんですね、この映画は！
麻薬にそまる女性
娘に手を出した事を告白するクイズ司会者
漏れそうな子どもと親
死が迫る老人
介護するフィリップシーモアホフマン
その老人の妻たるジュリアンムーアの悩みと秘密
ある意味法にふれる警察官
愛の告白をするかつてのクイズ覇者の今
一見つながらそうな人物がテレビを介して繋がっていく物語
あっという間に見てしまいましたね
ラストはわかりきってるんですが、
限りなくラストは、アルトマンの「ショートカッツ」に似ています。
ラストに訪れるちゃぶ台びっくり返し系の 感じなオチですがね。
このオチに千原ジュニアは「なんやそれ！」と言ってましたが
このオチまでの
時制のつなぎ方がまた素晴らしいんですね！
なんでルメットの「ネットワーク」 も見てみたいんですが、完全版ネットワークをPTAが作りたかった一作という側面は、よーくわかりましたね。
親子関係の感じはさながら「普通の人々」影響何でしょうかね？
子供にクイズせっつく親
僕を本当にみてほしい秀才の子供みたいな対比。
そして謎の黒人の子供の盗み
絡み合いながらも
ラストは真実が絡み合い、カエルが咲き乱れるというこのラスト、有り得ない真実を最初に偶然エピソード的な積み上げマエフリを出して
ラストに繋げます。
キャラクターの背景が薄い浅いというのがありますが、
それにしても素晴らしいアンサンブル映画だなぁと思いますね。
これからドンドン 人物の歴史に迫っていく映画にPTAは今シフトチェンジしてきてますね！
「ゼアウィルビーブラッド」も
「ザマスター」も
次回作がまた楽しみであります。
オスカー常連になってきましたね、ボール監督も！
私はオチはとにかく驚いたんですが、それまでのスピーディーな展開にどうなるのか
口がポカーンと空きました。
が、やはりこの監督好きって思いましたね。
ジュリアンムーアの感情剥き出しのオーバーフロー
トムクルーズの嘘を突き破るインタビューと本音
フィリップシーモアホフマンの寄り添う姿
ウィリアムＨメイシーの愛
ジョンＣライリーの愛
ジェイソンロバーズの最後の頼み
素晴らしい作家だと思いました。
好き好き
ポールトーマスアンダーソン
大好きなアメリカの映画監督です。
今度「ブギーナイツ」購入してきたいと思ってます！