星2、5
山田洋次監督の悩んだ小津イメージ
山田洋次監督との映画履歴は、長くなるので別レビューにておおくりまします。
私は山田洋次監督の本作のニュースを聞いて
そしてチラシを見てまず、思ったのは、後にも先にも
これ
「
このキャストで大丈夫?
」
これにつきます。
家族に到底見えないこのキャスティング
しかも製作松竹の大看板監督であった
日本映画の4大巨匠、小津安二郎をモチーフ
それもあの「東京物語」をという触れ込み。
で、このキャストかぁ。
2013年、正月。いきなり新聞一面まるまる「東京家族」の新聞広告
松竹さんの力強さは、新聞に全面に現れていました。
興業は、異例の少なさで、なかなかの早さで公開も終了していたと思います。
心配は、観客に届いたのかな?
ていうかこの家族が、
小津の家族像にどれだけ
迫れてるのかな?
という点が物凄く気になってました。
山田洋次監督82才にして小津をどんだけ捧げたかったのか?
これは、大問題作品やぁと私だけ思ってました。
見ればわかります。
私はこれは、DVDで確かめなければ、とずっと使命感に燃えておりました。
松竹DVD新作レンタル鑑賞しました。
以下不満。
まず、長い。
それから劇中
おじいちゃん、橋爪功
おばあちゃん、吉行和子
と言ってる二人から老いを感じない。
橋爪功にいたっては、劇中「こわい、折りがあわない」とか
言われるが、若々しく見える。
そして演出なんですが、
橋爪さんが、やっぱり出ちゃうんですが、
早口でしゃべると
とても「老い」を感じない。そして怖い、とかとっつきにくいイメージが、映画を見ていてまるで感じなかった。
つまり劇中台詞指摘のイメージとやってる本人の所作言動が
全く違った風
かけ離れている違和感に
橋爪功さんは特に感じた。
一番演出でこれはイカンと思ったのは、
あるシーンでおじいちゃんが動揺するシーンがあるんですが、
まあまあまあまあ
動作が機敏でスピーディ。おじいちゃん、動きが素早いやろ!と突っ込んでました。疲れてないやろ、全然と。
あと
橋爪さんの言い回しが、極力ゆっくり、田舎方言を喋るんですが、
早口になったとたん推理物のテレビドラマの橋爪功の舞台劇っぽい橋爪さんの顔が、どうしても出てきます。
台詞が多いからしょうがないじゃなく
演出面で抑制が利いてない
小津のイメージに近づけたいのか?
なんなのか?
笠智衆に近づけたいのか?なんなのか?
本作のキーマンである橋爪功におっきな疑問符を抱えながら映画を見ていました。また東京に疲れた感じも、何も感じとれなかった気がします。
二人が黒髪だったのもちょっとなんか、納得しませんでした。若々しく見えるんですよね。
おじいちゃんおばあちゃんと呼ばれてもね。
一方「東京物語」の小津映画のおじいちゃんおばあちゃんは、大層疲れたイメージは、感じとれます。
あとから調べると
社会的な事象に配慮して、公開日も変更。キャストを変更した背景があったんですね。
本当は、おじいちゃん菅原文太
おばあちゃん市毛良枝?
だったとか。
私ならおじいちゃん高倉健、おばあちゃん赤城春江あたしだったら納得していたキャスティングです。
このキャスティングがもうなんか違う気がするんですね。
小津のイメージに近づけたいのなら、リメイクしたいなら。
ていうかリメイクでは、ないですよ、本作全然。はい。
それから中島智子さんも当初は、室井滋さんだったとか、いや室井さんの方が絶対良かったなぁと思います。
小津イメージでいう、杉村春子イメージです。なんでもヅケヅケ言う、情にモロく、自分勝手的なオバサンイメージであります。
中島智子さんだとやっぱり、品の良さが勝ちますねー。見ていてあんまり、嫌みに見えません。
だって蛍ちゃんですからね。
意外に良かったのが、
西村雅彦さん、素晴らしく抑えた医師を控えめに演じていてピッタリ。
松竹のバーター的歌舞伎で働いてる青年ツマブーさんも良かったです。
ていうか、むしろ、この青年ツマブー主役で山田監督作品が見たかったなぁとすら思いました。
イイヒトイイヒトと連呼していた蒼井優の何がイイヒトなんか、正直掴めなかったです。
また本作やっぱり山田監督のカッティングの妙なアングルがやはり目立ちます。
肩ごしのアングル
変なタイミングのバストショット
顔面アップのタイミング編集
アップで役者の顔が見切れたりする(有り得ません。小津映画には。こんな凡ミスというか山田映画なんでいいんですが。)
小津安二郎の一挙手一投足にだめ出しする 厳格化は、失われ
山田洋次のいつものカット割が
どんどん山田洋次らしさ、つまり小津安二郎イメージ
にみえない全く別の違和感にさいなまれたイメージな見えてきます。
なんで少しみながら苛立ってきます。そして悩んできます。この映画って何が描きたいんだろって?
勿論山田映画特有の
「今」を取り込む脚本顕在です。
東京スカイツリーとか
震災とか
横浜とか
今の風景とか
山田洋次脚本の必ず行う「今」今を取り込む設定は、わかります。
観覧車の光にまみえ寝るシーンも、悪くありません。
また冒頭の夏川結衣の
ノレンをあげる動作の不思議な感じ
あれも小津映画では特有な表現なんですけど山田映画は、意味もないかんじ。なんか邪魔にさえ見えます。あの夏川さんのノレンが。
小道具の位置づけに何時間もかけた小津とは違うような気がします。
要は私のいいたいのは、
山田洋次監督は、
本当に小津安二郎が好きだったのか?
というこの一点。
私は本作を見て、そうではないと思いましたね。
本当に好きならこうは表現できないと思います。
そして調べると山田監督は、過去
小津映画を「おんなじシャシンばっか」と否定的なコメントをしています。そしてその小津映画を対談相手の黒澤明が熱心にみていて驚いたという逸話を資料から発見。
つまり
最初から好きではなかった、存在の会社の先輩をだんだん好きになったフシが、あるようです。
それが、やっぱり本作の
おかしな配合
おかしい表現
キャスティング変更は、悩んだ証拠、揉めてる証拠であります。
作品を見ると違和感は如実に現れている気がするんですね。
脚本から確かに家族をかんがみる普通な内容なんですが、
なぜ小津なんかが、はなはだ疑問であり
林家こぶへいがでたり?山田監督が落語好きだからか?
本当に松竹は、小津映画を評する作品は、「珈琲時こう」にせよ、どこかおかしい作品を送り出す会社だなぁと疑問に思いました。
さて
山田洋次監督が魅せる
東京家族
チラシを見た時からの違和感のイメージそのまんまの
山田洋次監督が悩んだ小津安二郎イメージ
にしかみえませんでした。
追伸
この映画は、やっぱり問題作だと思いますよ。誰かちゃんと評論してほしいわぁ、本当に。
山田洋次監督は、好きですよ。ちなみに。
「息子」
「学校1、2、3」
「幸せの黄色いハンカチ」
大好きな作品です。
山田洋次監督の悩んだ小津イメージ
山田洋次監督との映画履歴は、長くなるので別レビューにておおくりまします。
私は山田洋次監督の本作のニュースを聞いて
そしてチラシを見てまず、思ったのは、後にも先にも
これ
「
このキャストで大丈夫?
」
これにつきます。
家族に到底見えないこのキャスティング
しかも製作松竹の大看板監督であった
日本映画の4大巨匠、小津安二郎をモチーフ
それもあの「東京物語」をという触れ込み。
で、このキャストかぁ。
2013年、正月。いきなり新聞一面まるまる「東京家族」の新聞広告
松竹さんの力強さは、新聞に全面に現れていました。
興業は、異例の少なさで、なかなかの早さで公開も終了していたと思います。
心配は、観客に届いたのかな?
ていうかこの家族が、
小津の家族像にどれだけ
迫れてるのかな?
という点が物凄く気になってました。
山田洋次監督82才にして小津をどんだけ捧げたかったのか?
これは、大問題作品やぁと私だけ思ってました。
見ればわかります。
私はこれは、DVDで確かめなければ、とずっと使命感に燃えておりました。
松竹DVD新作レンタル鑑賞しました。
以下不満。
まず、長い。
それから劇中
おじいちゃん、橋爪功
おばあちゃん、吉行和子
と言ってる二人から老いを感じない。
橋爪功にいたっては、劇中「こわい、折りがあわない」とか
言われるが、若々しく見える。
そして演出なんですが、
橋爪さんが、やっぱり出ちゃうんですが、
早口でしゃべると
とても「老い」を感じない。そして怖い、とかとっつきにくいイメージが、映画を見ていてまるで感じなかった。
つまり劇中台詞指摘のイメージとやってる本人の所作言動が
全く違った風
かけ離れている違和感に
橋爪功さんは特に感じた。
一番演出でこれはイカンと思ったのは、
あるシーンでおじいちゃんが動揺するシーンがあるんですが、
まあまあまあまあ
動作が機敏でスピーディ。おじいちゃん、動きが素早いやろ!と突っ込んでました。疲れてないやろ、全然と。
あと
橋爪さんの言い回しが、極力ゆっくり、田舎方言を喋るんですが、
早口になったとたん推理物のテレビドラマの橋爪功の舞台劇っぽい橋爪さんの顔が、どうしても出てきます。
台詞が多いからしょうがないじゃなく
演出面で抑制が利いてない
小津のイメージに近づけたいのか?
なんなのか?
笠智衆に近づけたいのか?なんなのか?
本作のキーマンである橋爪功におっきな疑問符を抱えながら映画を見ていました。また東京に疲れた感じも、何も感じとれなかった気がします。
二人が黒髪だったのもちょっとなんか、納得しませんでした。若々しく見えるんですよね。
おじいちゃんおばあちゃんと呼ばれてもね。
一方「東京物語」の小津映画のおじいちゃんおばあちゃんは、大層疲れたイメージは、感じとれます。
あとから調べると
社会的な事象に配慮して、公開日も変更。キャストを変更した背景があったんですね。
本当は、おじいちゃん菅原文太
おばあちゃん市毛良枝?
だったとか。
私ならおじいちゃん高倉健、おばあちゃん赤城春江あたしだったら納得していたキャスティングです。
このキャスティングがもうなんか違う気がするんですね。
小津のイメージに近づけたいのなら、リメイクしたいなら。
ていうかリメイクでは、ないですよ、本作全然。はい。
それから中島智子さんも当初は、室井滋さんだったとか、いや室井さんの方が絶対良かったなぁと思います。
小津イメージでいう、杉村春子イメージです。なんでもヅケヅケ言う、情にモロく、自分勝手的なオバサンイメージであります。
中島智子さんだとやっぱり、品の良さが勝ちますねー。見ていてあんまり、嫌みに見えません。
だって蛍ちゃんですからね。
意外に良かったのが、
西村雅彦さん、素晴らしく抑えた医師を控えめに演じていてピッタリ。
松竹のバーター的歌舞伎で働いてる青年ツマブーさんも良かったです。
ていうか、むしろ、この青年ツマブー主役で山田監督作品が見たかったなぁとすら思いました。
イイヒトイイヒトと連呼していた蒼井優の何がイイヒトなんか、正直掴めなかったです。
また本作やっぱり山田監督のカッティングの妙なアングルがやはり目立ちます。
肩ごしのアングル
変なタイミングのバストショット
顔面アップのタイミング編集
アップで役者の顔が見切れたりする(有り得ません。小津映画には。こんな凡ミスというか山田映画なんでいいんですが。)
小津安二郎の一挙手一投足にだめ出しする 厳格化は、失われ
山田洋次のいつものカット割が
どんどん山田洋次らしさ、つまり小津安二郎イメージ
にみえない全く別の違和感にさいなまれたイメージな見えてきます。
なんで少しみながら苛立ってきます。そして悩んできます。この映画って何が描きたいんだろって?
勿論山田映画特有の
「今」を取り込む脚本顕在です。
東京スカイツリーとか
震災とか
横浜とか
今の風景とか
山田洋次脚本の必ず行う「今」今を取り込む設定は、わかります。
観覧車の光にまみえ寝るシーンも、悪くありません。
また冒頭の夏川結衣の
ノレンをあげる動作の不思議な感じ
あれも小津映画では特有な表現なんですけど山田映画は、意味もないかんじ。なんか邪魔にさえ見えます。あの夏川さんのノレンが。
小道具の位置づけに何時間もかけた小津とは違うような気がします。
要は私のいいたいのは、
山田洋次監督は、
本当に小津安二郎が好きだったのか?
というこの一点。
私は本作を見て、そうではないと思いましたね。
本当に好きならこうは表現できないと思います。
そして調べると山田監督は、過去
小津映画を「おんなじシャシンばっか」と否定的なコメントをしています。そしてその小津映画を対談相手の黒澤明が熱心にみていて驚いたという逸話を資料から発見。
つまり
最初から好きではなかった、存在の会社の先輩をだんだん好きになったフシが、あるようです。
それが、やっぱり本作の
おかしな配合
おかしい表現
キャスティング変更は、悩んだ証拠、揉めてる証拠であります。
作品を見ると違和感は如実に現れている気がするんですね。
脚本から確かに家族をかんがみる普通な内容なんですが、
なぜ小津なんかが、はなはだ疑問であり
林家こぶへいがでたり?山田監督が落語好きだからか?
本当に松竹は、小津映画を評する作品は、「珈琲時こう」にせよ、どこかおかしい作品を送り出す会社だなぁと疑問に思いました。
さて
山田洋次監督が魅せる
東京家族
チラシを見た時からの違和感のイメージそのまんまの
山田洋次監督が悩んだ小津安二郎イメージ
にしかみえませんでした。
追伸
この映画は、やっぱり問題作だと思いますよ。誰かちゃんと評論してほしいわぁ、本当に。
山田洋次監督は、好きですよ。ちなみに。
「息子」
「学校1、2、3」
「幸せの黄色いハンカチ」
大好きな作品です。