トリュホーの突然なトライアングル
1961年
原作アンリピエールロシェ
撮影ラウルクタール
音楽ジョルジュドリュ
脚本監督フランソワトリュホー
全国で展開中のリバイバルプロジェクト
午前10時の映画祭
「8」回目の開催で初参加となりました。
欧州ヌーヴェルヴァーグのトップランナー、フランソワトリュホーの「突然炎のごとく」に参戦してきました。
初見以来2回目の鑑賞記憶。見たのは確か十代。CICビクタービデオで見た記憶なんですよね。
見た時は恋愛映画には見えず難しい文字一杯の、時が経過する三角関係映画、やや重ための印象、3人でずっぱりな感じで、本作と「大人は分かってくれない」を見ていたので、大変トリュホーは、めんどうで、ゴダールよりひょっとしたら文字数多くて読みづらいという印象。
30代まで一切見たことない聖なる領域になっていました。のち「恋愛日記」「緑色の部屋」「野性の少年」「黒衣の花嫁」「トリュホーの思春期」「アメリカの夜」をアスク講談社、ワーナービデオで見ていきます。
山田宏一評論など読む。
そんで、今ようやく劇場鑑賞というタイミング。若い方をいらっしゃったティジョイ新潟で見てきました。
いやあ大変刺激的でしたね。2017年にやはりヌーヴェルヴァーグがこんな田舎で見れてしまう
今
を感謝致します。ほんと嬉しい。
まずね、その前に。やはりこれ刺激的過ぎて若干レビュー寝かせました。それからレビューサイト、山田宏一本、本作ブログ等々を読んでから思いだしつつ書いてます。
いやあ冒頭5分の展開がまあまあまあまあまあ、はやいことね!
これが超びっくりしましたね。
冒頭ドリューの陽気な音楽にのせ、高速台詞がかぶさるクレジット展開するんですが、まあはっやいはえーこと。見逃しオーケイな冒頭編集でふたりの「ジュールとジム」のなれそめが語られます。
素晴らしい編集なんですよね。このタイトで文学的なナレーションとばっさりサクサク刻まれる編集力をトリュホー29才で表現していたことがまず、素晴らしいという事実でありました。
この編集の素晴らしさは、ある意味この映画の自由さであり、面倒くさい文語的な解説ナレーションや台詞の堅さや眠気を誘う画一さにも繋がります。
資料によると150分強ある撮影フィルムを100分まで削いだのもトリュホーの語り口の一つ、秀でた所だと思い直しました。
のち美術彫刻に魅せられた2人が見つけた理想のスカルプチャー、カトリーヌことジャンヌモローが登場。
この前ふりの絵や彫刻を映すのも原作者ロシェへの尊敬があったんでわないかなと思います。ピカソの絵らしいですが、ロシェは美術品を扱う仕事をしていたそうです。
本作の次なる代表的なシーンがあります。トライアングルの自由の象徴とされる仮装した3人の橋の競争であります。
ンで!まさかとは見ながら思ったんだけどジャンヌモローの帽子をかぶった扮装がチャップリン「キッド」からきているかも?という指摘を読んでそうかもなあと写真を見比べたりしました。ジャンヌには、ちゃんとチョビ髭を墨で塗るシーンが映されます。キッドのジャッキークーガンに確かコスプレってるかもしれませんね。
そこから時代変遷を噛みながら3人の恋の大河、ラブトライアングルが展開されていきます。
本作のこの奇妙でなんとも
いえない
トライアングル、三角関係を見る映画なんですよね!
男2人
女1人
この三角関係をしっかり魅せきった映画なんだとも思います、印象強く、炎のように燃えさかる、思慮深そうに見えて、短気に燃え尽くすようなジャンヌモローに振り回される映画なんだと思います。
本作がのち
ゴダール「はなればなれに」
ロイヒルの「明日に向かって撃て」(実在の人物ですがね、ブッチ・サンダンスは、。)
あとジムジャームッシュ
の「ストレンジャーザンパラダイス」にも影響あるんかな?何気に「ジム」だし劇中「ジム、、ムッシュ」とか言ってたし、男2人女1人だしと勝手予測。
等々に受け継がれていくんだと思います。
この本作の寛容たるジュールを演ずるオスカーウェルナー。カトリーヌと抱擁するシーンがあるんですが、とても良いです。無理な結婚、妊娠でも、関係性を続けるために同居を選ぶんですよね。
一方一途で突っ走る、一見理知的に見えるジムことアンリセール。戦争の影を落としながらカトリーヌともう一方の従順そうな女性とトライアングルなラブに陥ります。私は、ラスト付近のジムの目が点になった呆然とした片道切符を手にしてあの顔が忘れられません。
そしてウーマンリブの象徴とさえも言われたジャンヌモローの生き様を描いた作品ですよね。
まあ倫理的に普通じゃないわけで、だから名だたるというか理解できない異物というか、自由きままな女性というか、破廉恥な女性というか、セックスに、男を手玉に支配したいというか、。私はだけど、本作のジャンヌモローの女っぷりって、理解はされにくいけど、
まさしく河に飛び込むプイと感情を切り返す所や気に入らないとビンタするあの所に
オンナを見ましたよね!
まさしく女性、ザウィメンじゃないっすかー!不可解で理解できない女性を
決して大袈裟じゃなく
ぶりっ子もとりつくろいも強引もなく
むしろ慎み深く演じたジャンヌモロー。
製作費も出したり、昼を作ったり本腰入っていたそうですよ。
ラストは、アア!確かそうだったなあ!と思い新鮮にショッキングでした。
トリュホーにやられたわけです。
セックスやら
扇情的殺意サスペンスやら
に過剰過激になりそうナ題材を29才で
ここまで上図に切り取りかつ文学的品位さえ難しくも感じさせる作品にならしめたフランソワトリュホーは、やはり早熟な監督やなあと納得したんですよね。
29ですよ!第3作目でこの感覚なわけですよね。やはり名が残るわけなんですよね、2017年に日本で上映される訳なんだと思います。
やっぱりね20代でちゃんとした世界観を作る映画監督は、凄いんですよね。私のこだわりポイントなんですがね。短命終始する監督も多いんですがね、、、。
キューブリック「突撃」28才
スピルバーグ
オーソンウェルズ
ゴダール「勝手にしやがれ」29才
チャップリンまで20代で何かしら表現を発表してます。
いやいや劇場でヌーベルバーグ
良かったですよ!
さて
トリュホーの突然トライアングル
なかなかレアソフトかもしれませんが、
ぜひ!
1961年
原作アンリピエールロシェ
撮影ラウルクタール
音楽ジョルジュドリュ
脚本監督フランソワトリュホー
全国で展開中のリバイバルプロジェクト
午前10時の映画祭
「8」回目の開催で初参加となりました。
欧州ヌーヴェルヴァーグのトップランナー、フランソワトリュホーの「突然炎のごとく」に参戦してきました。
初見以来2回目の鑑賞記憶。見たのは確か十代。CICビクタービデオで見た記憶なんですよね。
見た時は恋愛映画には見えず難しい文字一杯の、時が経過する三角関係映画、やや重ための印象、3人でずっぱりな感じで、本作と「大人は分かってくれない」を見ていたので、大変トリュホーは、めんどうで、ゴダールよりひょっとしたら文字数多くて読みづらいという印象。
30代まで一切見たことない聖なる領域になっていました。のち「恋愛日記」「緑色の部屋」「野性の少年」「黒衣の花嫁」「トリュホーの思春期」「アメリカの夜」をアスク講談社、ワーナービデオで見ていきます。
山田宏一評論など読む。
そんで、今ようやく劇場鑑賞というタイミング。若い方をいらっしゃったティジョイ新潟で見てきました。
いやあ大変刺激的でしたね。2017年にやはりヌーヴェルヴァーグがこんな田舎で見れてしまう
今
を感謝致します。ほんと嬉しい。
まずね、その前に。やはりこれ刺激的過ぎて若干レビュー寝かせました。それからレビューサイト、山田宏一本、本作ブログ等々を読んでから思いだしつつ書いてます。
いやあ冒頭5分の展開がまあまあまあまあまあ、はやいことね!
これが超びっくりしましたね。
冒頭ドリューの陽気な音楽にのせ、高速台詞がかぶさるクレジット展開するんですが、まあはっやいはえーこと。見逃しオーケイな冒頭編集でふたりの「ジュールとジム」のなれそめが語られます。
素晴らしい編集なんですよね。このタイトで文学的なナレーションとばっさりサクサク刻まれる編集力をトリュホー29才で表現していたことがまず、素晴らしいという事実でありました。
この編集の素晴らしさは、ある意味この映画の自由さであり、面倒くさい文語的な解説ナレーションや台詞の堅さや眠気を誘う画一さにも繋がります。
資料によると150分強ある撮影フィルムを100分まで削いだのもトリュホーの語り口の一つ、秀でた所だと思い直しました。
のち美術彫刻に魅せられた2人が見つけた理想のスカルプチャー、カトリーヌことジャンヌモローが登場。
この前ふりの絵や彫刻を映すのも原作者ロシェへの尊敬があったんでわないかなと思います。ピカソの絵らしいですが、ロシェは美術品を扱う仕事をしていたそうです。
本作の次なる代表的なシーンがあります。トライアングルの自由の象徴とされる仮装した3人の橋の競争であります。
ンで!まさかとは見ながら思ったんだけどジャンヌモローの帽子をかぶった扮装がチャップリン「キッド」からきているかも?という指摘を読んでそうかもなあと写真を見比べたりしました。ジャンヌには、ちゃんとチョビ髭を墨で塗るシーンが映されます。キッドのジャッキークーガンに確かコスプレってるかもしれませんね。
そこから時代変遷を噛みながら3人の恋の大河、ラブトライアングルが展開されていきます。
本作のこの奇妙でなんとも
いえない
トライアングル、三角関係を見る映画なんですよね!
男2人
女1人
この三角関係をしっかり魅せきった映画なんだとも思います、印象強く、炎のように燃えさかる、思慮深そうに見えて、短気に燃え尽くすようなジャンヌモローに振り回される映画なんだと思います。
本作がのち
ゴダール「はなればなれに」
ロイヒルの「明日に向かって撃て」(実在の人物ですがね、ブッチ・サンダンスは、。)
あとジムジャームッシュ
の「ストレンジャーザンパラダイス」にも影響あるんかな?何気に「ジム」だし劇中「ジム、、ムッシュ」とか言ってたし、男2人女1人だしと勝手予測。
等々に受け継がれていくんだと思います。
この本作の寛容たるジュールを演ずるオスカーウェルナー。カトリーヌと抱擁するシーンがあるんですが、とても良いです。無理な結婚、妊娠でも、関係性を続けるために同居を選ぶんですよね。
一方一途で突っ走る、一見理知的に見えるジムことアンリセール。戦争の影を落としながらカトリーヌともう一方の従順そうな女性とトライアングルなラブに陥ります。私は、ラスト付近のジムの目が点になった呆然とした片道切符を手にしてあの顔が忘れられません。
そしてウーマンリブの象徴とさえも言われたジャンヌモローの生き様を描いた作品ですよね。
まあ倫理的に普通じゃないわけで、だから名だたるというか理解できない異物というか、自由きままな女性というか、破廉恥な女性というか、セックスに、男を手玉に支配したいというか、。私はだけど、本作のジャンヌモローの女っぷりって、理解はされにくいけど、
まさしく河に飛び込むプイと感情を切り返す所や気に入らないとビンタするあの所に
オンナを見ましたよね!
まさしく女性、ザウィメンじゃないっすかー!不可解で理解できない女性を
決して大袈裟じゃなく
ぶりっ子もとりつくろいも強引もなく
むしろ慎み深く演じたジャンヌモロー。
製作費も出したり、昼を作ったり本腰入っていたそうですよ。
ラストは、アア!確かそうだったなあ!と思い新鮮にショッキングでした。
トリュホーにやられたわけです。
セックスやら
扇情的殺意サスペンスやら
に過剰過激になりそうナ題材を29才で
ここまで上図に切り取りかつ文学的品位さえ難しくも感じさせる作品にならしめたフランソワトリュホーは、やはり早熟な監督やなあと納得したんですよね。
29ですよ!第3作目でこの感覚なわけですよね。やはり名が残るわけなんですよね、2017年に日本で上映される訳なんだと思います。
やっぱりね20代でちゃんとした世界観を作る映画監督は、凄いんですよね。私のこだわりポイントなんですがね。短命終始する監督も多いんですがね、、、。
キューブリック「突撃」28才
スピルバーグ
オーソンウェルズ
ゴダール「勝手にしやがれ」29才
チャップリンまで20代で何かしら表現を発表してます。
いやいや劇場でヌーベルバーグ
良かったですよ!
さて
トリュホーの突然トライアングル
なかなかレアソフトかもしれませんが、
ぜひ!