星4、2 小路監督のコンクリのコナと顔のカゼ
製作、脚本、編集、監督小路紘史。
ツイッターかな?
日本のゴジラレジェンド監督、長谷川和彦監督の激賞コメントが知るきっかけ。
あのひとが?褒める、いや「めた」んだと。
ゴジ曰く
「『覚醒剤密売に関わる最低最悪の人間たち』が、何故か『愛おしく』なってしまうのだ。」
愛しいと覚せい剤が引っかかる。そして今時「ケンとカズ」という名前タイトル。(「キクとサム」なんて日本映画あったけど、ベストテンの本にあったなあって思いだす。)
チラシをシネウインドでゲット。なにやら顔面力強いふたり。
わたしは、覚せい剤ときくとついに日本映画にも「ヤク」な映画ができたかあと思い、どんなふうに映画いてるのか?気になった。
病んでるシックなアメリカ映画では、もはや当たり前の大罪の「麻薬映画」ですが、、、日本ではどうだろう、、、じとーっとして、ネガティブ系かなと事前予想。
一週間限定上映、越後シネウインド夕方に駆けつけ、2017年初邦画上映鑑賞してまいりました。
まず、予想より安定していて安心したという安堵感。と、素晴らしい気分の高揚、動揺、刺激がつまっており、上映後なんかもやもやしたのと、突き動かされるような何かに支配され 久々このほぼインディーズ映画に感動した。そしてすぐさまツイート呟いた。
文字どうり右ケン(カトウシンスケ)カズ(毎熊克哉)が良かったのだ!彼ら二人に焦点を絞った、今時潔いほどシンプルで気持ち良い。そのストレートな性格の二者。
ある意味二人の顔面を見る映画になっている。俳優の映画になっているのだ。画面に緊張がはしり、その俳優に魅せられ、その俳優の行方を頭で夢想し、夢中になる。俳優を凝視する映画だ。
ケンは、結婚を夢見るヤク売人。カズは、訳あり家族とともにヤク売人である。
ケンのカトウシンスケのハーフのような顔。アルパチーノに似てるとか、私は、山崎まさよしに似ていて、いつ「セロリ」を歌うのかとくだらない夢想を上映中にした。
彼の怒りが素晴らしい。彼の夢は、風に吹かれるのか、どうなのか気になった。
左ケン 右カズ
そしてカズのまるで動物的顔から上に上にあがるためのお話し。この物語の核となる。これは、きわめてオーソドックスな物語だ。東映ヤクザ物、アメリカ麻薬もので表現されてきた物語だ。メイクマネーのための「嘘」「だまし」だ。
真ん中のテル役の藤原さんもイケメンだが、ふわふわした役柄を実に良く演じていた。女性必見!
これが見えたときあれっとおもった。結構直球だったとので、いやむしろ安心したのだが、、、。変に技巧的な覚醒薬映画やファッション性にとむだけとかだったらどうしようと思っていたからだ。
この方もよかった、若干芝居してるぜ、俺、感あったように思いますが、それは、ラストへの伏線とみたい。
映画の暴力性には、しかるべき暴力たる所以がある、べきだと私は思う。それがあった。それもかなりしっかり本作には明確、しつこいほどにある。
私は、それぞれが、それぞれに、やらざるをえないケンとカズの荒れくれた血にコンクリートの匂いと顔から発するどこかやるせないにおいのような冷たい風をたびたび感じた。
それは、二人のぎりぎりのしのぎであり
家族であり、
運命であり、
空であり、
粗野で乱暴なののしりであり、
それぞれの背景であり、
それぞれの怯えであり、
それぞれの逃避行であり、
それぞれの組織における下っ端であり、
裏切りだった。
くだらねーー仕事だったり
むしゃくしゃだったり
自暴自棄だったり
やかましいこの○ソっ!であった。
彼らの顔からはっする匂いにつられ、いつまにかコンクリートにうちつけられ、ラスト気分のよくないもやもやしたラストを迎える。
(以下超ネタバレあり。知りたくない方は、スクロール。飛ばしてね。)
【私は、ケンがあのような結末にがっかりした、アンハッピーだからかもしれないが、求める幸福に弱さがあるため、崩れてしまうようで悔しかった。、、だってね、普通じゃん。ハッピーになる基本、ボーイミーツガールなのにね、、、。むしろ日ごろからいや宿命から包囲網をはりめぐり、生きるしのぎをみにつけ虚勢と威厳を拡張してきたカズに軍配があがるのは、ちょっと腹がたったりもしたが、影がついて本当の人間を知ってよかったのかもしれない。大きな傷跡だが】
【ネタバレ終了】
編集に二年もかけ、それぞれの顔に空がかかっていくところとか、二分割になるところとか、編集が実に丁寧でとっても良かった。お疲れ様でした。その編集が、二人を夢中にさせる、観客を引き込み、私を魅了させたんですね。
多くのパンフの称賛コメントすごーい。千原j、竹中直人さん、小堺かずきさん、、、みんな次回作と彼ら二人のヒリヒリにやられたようです。
覚せい剤は、あくまでも導入でね、基本は、しっかりとした人間ドラマでありました。
短縮版のケン役の方、申し訳ないけど、なんかね違うと私思ったです。本編みてからかもしれないけどね。本編がすごすぎたからかもだが、、、。
さて
小路監督のコンクリのコナと顔のカゼ
2017年久々の無名からのスマッシュヒットでした、ぜひ!「ポチの告白」いらいだなああ!
おすすめであります!男の映画ですね!!!ぜひ。
もちろん個人的に小路監督の次回作がきになるのよねーーー!!!